麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

『天牌外伝 麻雀覇道伝説』4巻(嶺岸信明+来賀友志、ISBN:4537103930)

4月8日発売、ニチブンコミックス。定価530円。雑誌「別冊漫画ゴラク」(隔週刊)2004年7月〜10月掲載分を収録。
天牌外伝4巻
いわずと知れた人気No.1麻雀マンガ『天牌』の外伝。麻雀職人・黒沢義明の活躍を描く。

紫煙に霞む大都会
友が去り、敵が集う
そんな運命の人生を
貫き通す背中がある!!
視線の先には道がある!!
男の名は、黒沢義明!!
孤高の求道者――――!!
天牌外伝』4巻背表紙のアオリから引用

この巻でも、お約束をきっちり守った隙のない物語、大人のファンタジーが続く。錦糸町、歌舞伎町、新橋、それぞれ異なる麻雀風景を描き出すことが出来るのはこのコンビだけで、まさに職人芸と呼ぶにふさわしい。
個人的には腕のいい細工職人がホームレスになる「技術と超感覚」が面白い。「落ちて堕ちず」という来賀イズムあふれるテーマで、他人の盛運に乗っかる黒沢さんにも凄みがある。「少しだけ銭が稼げる」あたりのセリフにもしびれる。
ただ気がかりなのは、本編の『天牌』の進行がやや緩慢になっていることで、どちらも安定しすぎて面白みに欠けるきらいもある。脇役が主役を食ったマンガは古今事欠かないが、麻雀マンガだと『天』と『アカギ』のグダグダさ加減が頭をよぎる。
全国200万人の黒沢さんファンには悪いが、彼はもう過去の人。過去の人の武勇伝よりも、新しい闘牌、瞬とほかの3人による最終決戦、そしてよっちんの苦悩、よっちんの復活、よっちんの完全な勝利を待ち焦がれるファンも多いだろう。期待したい。
【参考】