麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

健康増進法施行1週間

麻雀店にも分煙・禁煙の努力義務を負わせる「健康増進法」の施行から1週間が経った.麻雀業界ではとりあえず静観を保っているようだが,先行きは不透明である.
健康増進法」は非喫煙者が喫煙者の吐く煙を吸ってしまう「受動喫煙」の防止を目的として成立したもの.その第25条には,

「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」

と記されている.
また4月30日付で厚生労働省健康局から都道府県知事など宛に出された「受動喫煙防止対策について」という文書では,「その他の多数の者が利用する施設」の例として「遊技場」が挙げられており,この中にはパチンコ店・ボーリング店などと共に麻雀店も含まれるとする理解が一般的である.
現状では努力義務にとどまり,違反した場合の罰則などは設けられていないが,施設の利用者・勤務者も含む非喫煙者は,タバコによる健康被害が立証された場合,損害賠償を請求できるという.
現在麻雀店の店内は禁煙にも分煙にもほど遠い.4人揃わなければ成立しない麻雀というゲームにあって,4人ともがタバコを吸わない確率はまだ低い.健康麻雀運動が「(タバコを)吸わない」というスローガンを掲げているのは,喫煙と麻雀が切っても切り離せない関係であった(ある)事実の裏返しである.
また,適法であるのは,煙が非喫煙者に全く届かない「完全分煙」までである.風俗営業である麻雀店でそのような内装にする場合,「設備の変更」として公安委員会の承認を受ける必要があると思われる.
現在のところ目立った対応は伝わってこないが,個々の店舗では解決できない部分もある.業界団体「全荘連」の情報が唯一読める新聞「月刊麻雀新聞」にも今のところこれに関する記事はない.業界全体のコンセンサスに向けて,何らかの動きがあればよいと願う.
ところで,同法の施行日である5月1日発売の雑誌「近代麻雀」の作品中に,「登場人物が禁煙の場所でタバコを吸い,それを主催者側が認める」という場面がある.しかしこれを同法と結びつけるのは牽強付会というものであろう.
【参考】