麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

やおい・ボーイズラブと麻雀

男同士の恋愛作品全般(主にマンガ)を扱う801板(やおい板)の『兎』スレでは,予想以上に高い麻雀趣味が確認された.またdoodleでは,麻雀マンガを応用して,男性向けBLエンジンの未来が開かれる可能性が示唆された.
まずは801板から.2ちゃんアケ板にある,伊藤誠『兎』を基にした麻雀ゲームのスレに,801板のURLが貼り付けてあった.早速飛んだ先は"兎〜野生の闘牌〜で801"というスレ.名前の通り,兎の男性の登場人物について,好みのカップリングを挙げたり,攻め×受けの取り合わせを楽しんだりする801婦女子のためのスレで,いたって良好に推移している.
その中でスレ住人の麻雀のレベルについてのアンケートも実施されており,本日までの集計は以下の通り(曖昧なものは下のレベルとして集計した).

  • A: 全く知らない … 2人
  • B: 麻雀のルールや役がおおまかに分る。 … 9人
  • C: 符の点数計算も大体できる … 2人
  • D: 雀荘に何度も足を運んだことがある。 … 3人

回答した人が皆女性だとすれば,これほどDレベルの人がいることに対して驚きを禁じえない.レスを見る限りでは,麻雀を知っていて『兎』を知った人数よりも,『兎』を読んで麻雀に興味を持つようになった人数の方が多いように思われる.どのような形であれ,麻雀に親しむ人,特に女性が増えるのは喜ばしいことだ.萌えマンガのもたらした好影響として特筆に値する.

もう1つ話題を.人気テキストサイト「doodle」(管理人:頁作氏)の[ 5/6 23:31 ]付のメモを引用する.

ボーイズラブ、BLの漫画を男性向けに描くという状況を想定するとき、そこでは(非闘牌系の)麻雀漫画的なやりかたが強く活用できるはずという仮説を一端立ててみた。一定の明示的なルール下における駆け引きの中に公然と(厚顔にも)論理的に証明しようのない不可解で巨大な強制力(「流れ」の概念など)を描いてみせ、そして肉弾のアクションでなく表情と視線と台詞と二の腕から先の演技のみで過剰なハッタリをかまして紙面の大半を幻惑的に支配する、あれだ。いくつかのパーツをBLのそれに置き換えて多少のチューニングを施せばそれなりに効率のいい男性向けBLエンジンのできあがり、という気がしなくもない。
(以下略)

氏が何故「BLを男性向けに描くという状況を想定」するに至ったのか,また氏の考えるBLの特徴がどんなものであるのかは分からないが,

  • BLにも,麻雀のルールと「流れ」との関係に似たものが存在する.
  • 麻雀マンガの表現技法が,男性読者が正視しがたい描写を上手に処理する用途に応用可能である.

といったことを示唆しているように思われる.
麻雀マンガは従来,麻雀を道具として恋のさやあてや任侠の切り札争奪合戦,総理大臣の決定などを扱ってきたが,そこで培われた技法はボーイズラブにも通用するのであろうか.氏にとっては取るに足らない思考の断片であろうが,非常に興味深いものがある.
【参考】