麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

4組のシュンツはリャンペーコーの夢を見るか?

連続する3つの数牌が4枚ずつある状態「三連槓子」(下図参照).捉え方としては「全く同じシュンツ(順子)が4組ある」とすべきだが,さてこれはリャンペーコーになるのか.この疑問を問いかけたスレによって,2ちゃん麻雀板はちょっとした盛り上がりを見せている.
三連槓子
問題のスレは24日に立った「111122223333は二盃口か否か」スレ(http://money3.2ch.net/test/read.cgi/mj/1090643181/).2日間で200弱のレスという,麻雀板にしては賑やかなスレである.


スレを立てた1の主張は「リャンペーコーにはならない」というもので,これは同じ牌を4枚使ったチートイツが一般的には認められていないことに根拠を持つらしい.チートイツを持ち出したせいで議論がややこしくなっているが,要するに,

同種類のパイ4枚を「2組のトイツ」と称することができないにもかかわらず,
全く同じシュンツが4つあった場合,これを「2組のイーペーコー」と称することができるのか

という問題である.
リャンペーコー?
これを麻雀板のマスコットAA,「イーペーコー」(下図1)を用いて分かりづらく表すと,「イーペーコが2つ重なったもの」(下図2)はあくまでも1つであり,「リャンペーコー」(下図3)ではない,ということになる.

イーペーコー
(図1)

麻雀板のマスコットAA
イーペーコー
(口のeマークが特徴)
くっつきイーペーコー
(図2)

イーペーコーが重なったもの
リャンペーコー
(図3)

リャンペーコー
本来は手のないイーペーコーが本物とされる


これに対する麻雀板住人の大半の意見は「リャンペーコーになる」というもので,根拠としては,

・全く同種類であっても2組であることには変わりないこと,

・チートイツが特殊な役であること

を挙げている.確かにリャンペーコーの条件として「構成の異なる2組のイーペーコ」という規定はないのだから,構成が同じでも2組と数えるのが妥当だろう.しかしこれだけでは上記の疑問に完全に答えたことにならない.


麻雀のルールで困ったときは浅見先生に聞くのが一番だ,というわけで麻雀祭都をのぞいてみたところ,そのものズバリの解答があった.「一般役14・両般高」(http://www.asamiryo.jp/ippan14.html)というページの一番下に書いてある.
それを要約すると,

  • 同種類のシュンツ4組はあくまでも「同順子4組」であり,「異なるイーペーコーが2種類=リャンペーコー」ではない
  • 中国ではこの形を「一色四順」という役満にしている.(公式ルールでは48点役)
  • しかし日本では「一色四順」を採用していないので,それよりはグレードの低い「リャンペーコー」と見なして計算している

となる.つまり原理としてはリャンペーコーと考えるのは誤りだが,運用においてはそうせざるを得ない,ということのようだ.


この例については,めったに作られないこと,また作られた場合でも暗カンしてしまうこともあって,議論が実際に行われることはほとんどない.しかし麻雀にはまだまだ解釈に迷う事例が残っており,それが麻雀を面白くもし,難しくもしているのである.…もっともらしく締めてみた.
【追記】id:hirotashi:20040726#p1 ←ヒロタシ氏がもっと手短に,かつ論理的にまとめている.
【参考】