麻雀四季報 10月号(VOl.4)
四季報なのに月刊,独立系の活字麻雀雑誌.編集主幹は西野孝男氏.フルカラー68ページ,480円.
今号は「麻雀の原風景 カードゲーム」がよくまとまった労作.安藤満を回想する「麻雀に命を削った男たち」もだんだん深いところに切り込んできた.
- 表紙&クローズアップは宮内こずえプロ(連盟).色気があってよござんすな.
- 連載は以下の通り(目次掲載順).
- 雀士クローズアップ 宮内こずえ(日本プロ麻雀連盟)
- 麻雀の原風景 カードゲーム 野間尽
- 第2回 天才を探せ!!
- デジタル・オカルト結果は一緒 矢野未来
- 直撃・人気雀荘 BOY国分寺店 斉藤真史
- 麻雀史ノート 黎明期の麻雀伝道師たち1 西野孝男
- サキヅケの「サキ」は前か後か 野々山晴義
- 麻雀の謎を解く 第2部 西野孝男
- 「麻雀の日」制定の歴史 木下裕章
- 第11回東北麻雀チャンピオンシップ大会
- 第48回全東京麻雀大会
- 全国麻雀情報 成績データ
- テンパイ島地図 リーチで太陽をつかめ 野間尽
- 特派員報告 苫小牧の街から人影と車が消えた 島村芙美子
- 江橋崇先生と行く秋の江蘇省の旅 日本健康麻将協会
- インターネット麻雀「東風荘」日記4 HN奥さんお風呂
- 雀荘での飲み物
- 麻雀に命を削った男たち 第4回 安藤満 西野孝男
- バックナンバーのお知らせ
- 反響
- 「麻雀の原風景」は子供向けのカードゲームの変遷をたどったもの.自分も子供の頃は花札や動物絵合わせを家族で遊んだ口であり,いまこの業界にいるのもその縁と言えなくもない.結語も単なる疑問に終わらない重いものを持っている.
- 第2回の「天才を探せ」は新海哲哉プロ(連盟)の優勝.坂井祐介(最高位戦)・島田竜也(連盟)・松下佳正(連盟)の格プロが参戦.
- 「麻雀伝道師たち」は簡潔で要を得た,日本への麻雀輸入者たちのまとめ.上海・満州北京・青島・欧米という4つのルートがあったらしい.個人的には現代中国における「打麻将」(主に北方で使われる)と「搓麻将」(主に南方で使われる)の違いが気になっているので,日本で「打」が用いられるようになった経緯などを知りたいものだ.
- 「サキヅケ」の先は前か後か.浅見先生によれば「先付け小切手」から来ているというが(http://www.asamiryo.jp/mtk47.html),どちらにせよ両義的に使われているので始末が悪い.
- 「直撃・人気雀荘」は古久根前最高位の店BOY.郊外型店舗らしい工夫が参考になる.
- 「雀荘での飲み物」はコーヒーと緑茶の効果を調べたもの.こういう読み物は地味だが雑誌を引き締める.ぜひ続けてもらいたい.
- 安藤満の第4回は,牌理塾の結成に至るまでの経緯.連盟は紙媒体を確保して,こういった記事をまとまった分量掲載してほしいものだ.
【参考】
- 宮内こずえプロ公式Website: http://shibuya.cool.ne.jp/kozue_m/
- 日本唯一のカルタ専門店? 東京神田神保町「奥野かるた店」: http://www.okunokaruta.com/
- かなり文章は硬いが,昭和初期の研究成果がはっきり分かる.浅見了先生「麻雀祭都」から「麻雀起源史譚」: http://www.asamiryo.jp/his36.html
- 同「麻雀の殿堂」.http://www.asamiryo.jp/BRILLIANT.html
- 手前味噌で恐縮だが,麻雀祭都の内容を検索したい時はこちらを: http://www.jfast.net/~izumick/msearch151/
- 自分(izumick)が遊んでいた花札のルール「六〇〇」の紹介ページ.満州に従軍していた祖父が教えてくれた物なので,下の掲示板の書き込みとも合致する: