麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

田中RX,キンマゴールドにデビュー

本日発売の雑誌「近代麻雀ゴールド6月号」にて,「田中VS現代社会」の田中RX氏が原作デビューした模様.作画はあの『麻雀蜃気楼』『狼の凌』の甲良幹二郎先生で,その作品「強の境界線〜強者の条件」に「協力:田中太陽」とクレジットされてあるのが田中RX氏だという.しかし目次には載っておらず,どの程度作品に関わったかは不明.
田中RX氏は現在個室ビデオ店勤務の24〜5歳.「雪崩萬獄堂」という,WEB有数の雀鬼研究サイトであり,また「ReadMe!」にも登録していた程の優良テキストサイトの運営者としてかつて業界では知らないものはなかった.
しかし今年3月,氏は突然そのサイトをなげうち,「田中VS現代社会」を開始する.それは氏の笑い溢れるテキストに通底していた"負け組の喜び"とでもいうべきものを更に推し進め,揺れ動く底辺生活者の情感を短い言葉の中に閉じ込めていったもので,おのずから文章は躁鬱的な色彩の中に時折笑いがスパークする傾向を深めていった.
「文章は確かに素晴らしい.しかし田中RXは麻雀への興味を失ってしまったのか?」.一時は水島新司ファンサイトへの衣替えも噂され,麻雀業界はその得がたき宝を失うかに思えた.
がしかし,氏は麻雀を忘れていなかった.個室ビデオ店で男の執念がこびりついたティッシュを始末しながら,その眼ははるかに麻雀の虚空を見上げていた.今回のデビューはささやかなことで,実はそれが分かったことが最大の意義だ.氏がますます面白い文章と,作品を生み出してくれることを期待したい.
【参考】