麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

堀田あきお&かよ・安部譲二『監獄ギャンブラー』1巻 (ISBN:4812458773)

10月7日発売.「近代麻雀」2002年10/1号〜11/15号,12/15号,2003年1/15号,2/15号,3/15号,4/15号掲載分を収録(奥付の情報を転記).冒頭画像は裏表紙.
バックパッカーの夫妻がビッグコミックオリジナルでの不定期連載「ネパールに行ってみた。」の後に始めた異色の連載.1993年の作品『ガキ雀』から10年,まさか安部譲二の原作でキンマに帰ってくるとは想像だにしなかったが,始まってみるとこれが予想以上に面白いのだからたまらない.以下ネタバレを含むので未読の方は避けていただければ幸いである.

  • 帯の推薦文は中島らも.塀の中には結局入らずにすんだのか?
  • 主人公は振った女にはめられて冤罪で刑務所に入っている「チャヅカミ」.この巻にはその再現シーンを除けば,女性が全く登場しない.清清しいまでに男のマンガ.
  • 第2話までは同房の仲間たちの顔見世.二舎六房の少年たちも大きくなったらこうなるのだろうか.
  • この巻で最も輝いているヒロイン?(色目を使うシーンだけで満たされてしまうほどだ)「鎌倉彫のおっしょさん」の登場で物語は動き出す.チャヅカミも徐々に才能を発揮し始める.野球観戦の間に,もう一人の主人公「触らずの政」の過去も回想される.
  • チームプレーで麻雀牌を密造し,騒ぎを起こして雑居房へ持ち込む.『麻雀博物館図録』にも「巣鴨プリズン牌」や「フランス人捕虜手作り牌」などがあったと思う.麻雀を楽しみたい気持ちは皆同じ.
  • と思いきや,当然のように麻雀を使って博打を始める仲間たち.更には賭場を開いて一儲けをたくらむ.まず手始めに勝利したところで次の巻へ.政が初登場の時にキョロキョロしていた理由も持ち越し.

喜怒哀楽の「哀」以外がこれでもかと盛り込まれていて,しかもいちいち人間くさい.笑わせてくれるシーンの後にはしっかり見せ場があって,政のカッコよさが引き立つようになっている.ああ面白い.
【参考】