麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

ハヌカーの麻雀メノーラ

「クリスマスイブなんて大嫌い」というひねくれた方にピッタリな?ユダヤ教のお祭「ハヌカー」.このお祭に欠かせないのが8枝の燭台「メノーラ」だが,最近はヴァラエティ豊かになり,麻雀をモチーフにしたものもあるらしい.キーワードに合致する海外のニュースを知らせてくれるサービス,「Google News Alert」からの情報.
ハヌカー」(Hanukkah,Chanukah)は「ともしびの祭」とも呼ばれ,紀元前2世紀の故事に由来するユダヤ教徒のお祭.シリアからイスラエルを取り戻した記念として,8枝の燭台「メノーラ」(Menorah)に1日1枝ずつ火を灯していくものらしい.本来8枝の燭台は特別に「ハヌキア」と呼び,イスラエルを表す燭台「メノーラ」とは区別されるらしいが,WEBで見る限り燭台=メノーラと考えてよさそうだ.
さてユダヤ暦冬至の頃に始まるこのお祭,今年は12月19日の夜に始まり,現在は6日目を迎えている.アメリカ・ペンシルバニア州の新聞「Pennlive.com」の生活欄12月18日付の記事「Menorah and dreidel symbolize 'a great miracle'」によれば,最近は伝統にとらわれず,様々な素材を使って芸術的なもの,子供向けのものなどが作られているらしい.
本題の「麻雀メノーラ」だが,

"We also have a mahjong menorah for people who play mahjong,"
とのことで,やはり麻雀愛好家のために作られているようだ.WEBの通販サイトでも何種類か販売されており,値段は35〜50ドル(4,500〜6,500円)と決して安くはないが,クリスタル製のものや,屋根上の台座の下に吊ってあるもの(下記画像参照)などなかなか凝っている.
Menorah
http://www.exclusivelymahjongg.com/items.html」より引用
麻雀専門の通販サイトには他にも面白い品物が展示されているので,興味のある方はのぞいてみてはいかがだろうか.
ところで,「アメリカのユダヤ人社会と麻雀」については,麻雀がアメリカに伝わった最初期から深い関係があることが知られている.
例えばフロリダ大西洋大学(FAU)のサイトにあるコンテンツ「Jewish Heroes and Heroines of America」(アメリカのユダヤ人の英雄たち)の1項「Louise Nevelson」(ルイーズ・ネヴェルソン《女性彫刻家》)によれば,1920年代には既にユダヤ人のアッパーミドル(中産階級の上位の層)の女性社会に麻雀と喫茶の習慣があったという.長めに引用すると(強調引用者),
The expectations of her husband that she would fit into the mold of upper-middle class matrons playing mahjong and drinking tea was resented by Louise. In 1931, they separated ...
(ルイーズの夫は彼女がアッパーミドルのユダヤ人女性の習慣に染まることを期待したが彼女はそれを拒絶し,1931年に2人は別れた)となる.この話の舞台は東海岸,ニューヨークなのだが,バブコックが西海岸に麻雀を持ち込んだのが1921年とされているから,驚くべき浸透の速さだといえよう.
この辺りの経緯・理由についてはぜひ調べてみたいのだが,寡聞にして情報を得ることができない.有益な情報をお持ちの方は,ご教授いただければ幸いである.それでは皆様,よいクリスマス・イブを.
【参考】