麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

春節(旧正月),悪者扱いの麻雀

中国の大型連休「春節(旧正月)」は昨日終わったが,どうも麻雀の評判はかんばしくない.ケンカの原因になったり,打ちすぎて倒れたり,「休日病」の1つとして槍玉に挙げられたり,そもそも一緒に打ってもらえなかったり.そんな中国の麻雀事情を目についたものから紹介していきたい.日本語訳は全てExcite翻訳サービスを使用した.
春節」は中国最大の祝日(今年は1/23〜29の7日間).「中国情報局SEARCHINA」春節特集(http://news.searchina.ne.jp/topic/302.html)の解説によれば,

春節は中国の祝日の基本中の基本だ。日本の盆と正月を足したような感じ」
というから,相当な規模であることが知れる.「春運」と呼ばれる帰省ラッシュも起こるようだ.
日本では,帰省で皆が集まった時の遊びとして当然「麻雀」の名前が挙がるが,中国でもそれは同じらしい.彼の地の検索エンジン「新浪」春節に際しておこなったアンケートに,「春節の暇な時間,何をして楽しみますか?」という設問があり,その中には「麻雀を打つ」という選択肢も含まれているから,ある程度認知された遊びであることは間違いない.(アンケートの結果はこちらから→日本語訳).
しかしながら,春節期間中に伝わってくる麻雀のニュースはどれもおもしろいものではない.つらつらと挙げてみると,

  • 麻雀のしすぎで妻と口論になった夫が水虫の薬?を飲んで救急車で運ばれる. (元記事日本語訳)
     (※ちなみにこの記事の「関連記事」も麻雀関係の良くない話題が山盛り)

  • 2晩徹夜で麻雀していた27歳の青年が脳卒中で死亡. (元記事日本語訳)

  • 過度の麻雀は「節日(休日)病」を引き起こす. (元記事日本語訳)

  • 「節日総合征(症)」には休養が一番. (元記事日本語訳)

などとなる.最後の記事の「節日総合症」の例として挙げられているのは「麻雀のしすぎ」の他,「肉の食べすぎ」「甘いものの摂りすぎ」「テレビの見すぎ」などであり,これは日本で言うところの「正月ボケ」に当たるものと推測される.
どれも気が重くなるような記事だが,よく考えてみれば,明るくて幸せな事件はそもそも新聞記事になりづらい.日本の正月によくある「餅をノドにつまらせて死亡」と同じレベルだとすれば,これはかえって,中国家庭で麻雀が広く行われている証拠ともいえるのではなかろうか.
とはいえ,自分は中国の家庭麻雀について無知に等しいので,しょせん憶測の域を出ない.そこで色々と探るうちに見つけたのが,シンセン経済特区から四川省に帰省した記者の体験記(下記参照).

  • 新しい風潮が盛んになり,麻雀の声はまれになっていく. (元記事日本語訳)

成都のある四川省は,かつて「(麻雀は)国の粋」と称されたほど麻雀が盛んな土地だったが,生活が豊かになり,レジャーも多様化したため,春節に麻雀をする人も減っているという.同省はGDPが1年で11.8%も増加する高度成長期にあり,記者は古い風習が廃れつつあるのをさびしみながらも,新しい風潮が興り,環境や暮らしがよくなるのはよいことだ,と書いている.
記事は,四川省のお偉いさん(記者の知人)のセリフ「シンセンの人は『時は金,効率は命』と唱えているじゃないか.それに追いつくために頑張っているのに,どうして麻雀なんかする暇があるだろう」という言葉で締めくくられる.これだけで中国の麻雀事情を推し量ることはできないが,幾分に示唆的であると感じた.
まとまりがなくて失礼.
【参考】