麻雀業界日報(保管)

麻雀業界日報(2003~2005)の保管

麻雀の扉

マンセンゴ氏が激賞する麻雀論「麻雀再開講座」の続編。麻雀サイト管理人の間では、今この話題が持ちきりである。

麻雀というゲームの考え方、頭の使い方について、過激であり論理的でもある文章を駆使して、独自の理論を展開している。

悔しさを他のものにスリ代えて慰めねばならないことだって、長い人生では幾度となくあります。しかし麻雀はそういった性質のものではありません。

や、

なかなか認め難いかもしれませんが、半荘を数百回打ってトータル負けていたら、牌の切り出しの手順がどうであろうと、それを「弱い」って言うのです。牌をツモって切るだけの単純な遊戯で、プライドの高いあなたが他人よりも劣っているという証なのです。

と言った挑発的な文言が並ぶが、内容はかなり高度で、自分の身を振り返って考え込んでしまう。ホラー調のデザインで、フォント指定までするこだわりも何となくカッコよく感じてしまうから不思議である。
まあそんな御託はいいから「とりあえず読んでみなよ」と人に薦めたくなるので、未読の方はお早めに。

近代麻雀ゴールド 7月号

5月23日発売、雀鬼のヒーリング・マガジン。先月からDVD付で490円となり、昨年の350円から大幅に値上がりしている。姉妹誌のオリジナルが完全リニューアルされる中、雀鬼中心の誌面づくりで突っ走る、漢(おとこ)の雑誌と言えよう。
今号はカサギヒロシが新連載。

  • 表紙は樹に耳を当てる雀鬼セクシーショットっていうか、萌え萌えっていうか。キャプションは「無限のエネルギー」。
  • 巻頭グラビアで「『共鳴』という生き方」、続いてリレー新連載「雀鬼への手紙」。第1回は鍵山秀三郎
  • 付録DVDは、掃除の人・鍵山秀三郎雀鬼の講演会の模様。お説教くさい予感がして見る意欲が湧かないが、初代会長氏が気まぐれにレビューしてくれるのを待とう(すげー他人まかせ)。
  • 格闘家・中邑真輔の一コママンガ。ちばゆうこといいこれといい、素人にマンガを描かせて面白くするのは難しいようだ。
  • その次のページには「新人漫画家募集」の文字。とにかく持って来いやー!!!とのこと。
  • 新連載はカサギヒロシで「代打ち婦警(デカ)すずめ」。スズメの兄貴だったら、婦警はデカ(刑事)じゃないだろ、とスマートにツッコミ入れるところ。話は手堅くまとまっている。
  • 連載は以下のとおり(目次掲載順)。
  • 新連載第3回、ますます弾ける「狂い咲き麻雀道」。高月宿男(たかつきじゅくお)登場で一方的に盛り上がる。♪風の牌を鳴クシカー上家を軽くなびかせー。ところで大吾ってVシネマ以外に登場してましたっけ?
  • 「鬼ごっこ」は雀鬼雀鬼龍の殴り合い。言葉にならない。
  • 「牌の音」はDVDと連動して、鍵山秀三郎の講演会の模様。「今日の会長バツグンに面白い」「いけてるな会長」。
  • 「とべ!くるぶし高校〜」ツモの特訓はいい感じ。
  • 「ツモっ子どうぶつ」はあの物語の主人公を上手に料理。
  • いつもながらよく分からない数字を持ち出すコラム「麻雀科学研究学部」。リーチに対して全ツッパした場合の放銃までの平均牌数が9.261枚ってことは、平均して8巡目までにリーチが入っていることになる。comjong.comによれば、4人のうち1人でもテンパイしている確率が50%を超えるのは7巡目とのことなので、そのリーチがすべて両面とは考えづらい。

【参考】


小場らしい日々

izumick2005-05-25

じゅんばんに遠いところへ近づいていく信号は青にかわって 本田瑞穂

本田瑞穂の歌集『すばらしい日々』読了。回復される世界がない、とは回復する自己がない、ということ。世界を切り捨てた先に透徹した自己に至るわけでなし、自己に執した果てに世間以上のものが現れるわけでなし。だが、それがいい、ってことで。
「小場(こば)」は得点の動きが少ないまま進行するゲームのこと。株相場用語かと思っていたが、どうやら麻雀独自の用語らしい。対義語は「荒れ場(あれば)」。

『天牌外伝 麻雀覇道伝説』4巻(嶺岸信明+来賀友志、ISBN:4537103930)

4月8日発売、ニチブンコミックス。定価530円。雑誌「別冊漫画ゴラク」(隔週刊)2004年7月〜10月掲載分を収録。
天牌外伝4巻
いわずと知れた人気No.1麻雀マンガ『天牌』の外伝。麻雀職人・黒沢義明の活躍を描く。

紫煙に霞む大都会
友が去り、敵が集う
そんな運命の人生を
貫き通す背中がある!!
視線の先には道がある!!
男の名は、黒沢義明!!
孤高の求道者――――!!
天牌外伝』4巻背表紙のアオリから引用

この巻でも、お約束をきっちり守った隙のない物語、大人のファンタジーが続く。錦糸町、歌舞伎町、新橋、それぞれ異なる麻雀風景を描き出すことが出来るのはこのコンビだけで、まさに職人芸と呼ぶにふさわしい。
個人的には腕のいい細工職人がホームレスになる「技術と超感覚」が面白い。「落ちて堕ちず」という来賀イズムあふれるテーマで、他人の盛運に乗っかる黒沢さんにも凄みがある。「少しだけ銭が稼げる」あたりのセリフにもしびれる。
ただ気がかりなのは、本編の『天牌』の進行がやや緩慢になっていることで、どちらも安定しすぎて面白みに欠けるきらいもある。脇役が主役を食ったマンガは古今事欠かないが、麻雀マンガだと『天』と『アカギ』のグダグダさ加減が頭をよぎる。
全国200万人の黒沢さんファンには悪いが、彼はもう過去の人。過去の人の武勇伝よりも、新しい闘牌、瞬とほかの3人による最終決戦、そしてよっちんの苦悩、よっちんの復活、よっちんの完全な勝利を待ち焦がれるファンも多いだろう。期待したい。
【参考】

らいぶ雀!、5/16で終了

ネット対戦麻雀「らいぶ雀!プロもあの娘もメンツ待ち」が5/16で終了するとのこと。(情報元:通りすが氏)

2004年5月17日に開始されたので、ちょうど1年間のサービス提供だったことになる。開始当初は棋士会・最高位戦・101・ミューのトップレベルプロが参加し、チャットをしながら麻雀ができるシステムとして話題を呼んだ。
しかし需要が振るわなかったのか、あるいは料金の高さが嫌気されたのか、昨年9月ごろにはアイドル女性との2人対局中心のシステムに変更。レベルの高い麻雀に期待していた自分のような業界人には、特に面白みのないものになってしまった。
以前本誌にも書いたとおり、麻雀プロは強さをアピールする機会が少なく、機会があっても上手にそれを活かせない、と自分は思っている。今回の終了に特別な感慨はないが、よりよいWEBでのプロ活動のために、できることは何か、改めて問い直してみたい。
【参考】

Insider Buzzing Around the World of Mahjong

izumick2005-04-14

いつの間にか、トム・スローパー氏のサイト「スローパーラマ」からリンクを張られていた。氏は著名な麻雀研究家にして収集家であり、感激に言葉もない。

本誌の説明文は「Insider Buzz」で、「業界人の噂話」といったニュアンスだろうか。「Buzz」には「蜂がブンブン飛び回る」というような意味もある。WEB中を駆けずり回ってネタ集めする自分の姿にはピッタリで、かなり気に入っている。
【参考】

『風の三日月』1巻(かどたひろし+梶研吾、ISBN:4812461545)

4月7日ごろ発売、近代麻雀ミックス。定価580円。雑誌「近代麻雀」2004/11/1号〜2005/2/15号掲載分を収録(下図参照)。
風の三日月1巻
風牌(かぜ)を自在にあやつり、依頼を受けて敗者の恨みを晴らす代打ち「三日月」の物語。手の甲に傷を持ち、それが大きな謎につながっていくのだが、この巻ではまだサワリだけしか触れられていない。
敵は麻雀が強いというより、権力や財力をカサに来た傲慢な打ち方で勝ってきた人間が多く、その虚勢をいかにはがして転落せしめるかに重点が置かれているのが闘牌の特徴。
よって自ら勝ちに行くより、依頼人をアシストしたり、相手を乗せて自滅を誘うのが主な戦い方で、「風を操る」というテーマに沿った、かなり本格的なものに仕上がっている。
2ちゃん麻雀板では、同じ作者の「打天使」「威打天」といった、見かけは派手だが内容の薄い作品の印象が根強く残っており、評判はあまり高くない。
確かに主人公が並外れた強運であり、かつハッタリめいた打ち筋を随所に見せる点は前作と同じだが、原作がついたこともあって、物語としての強度は格段に上がっている。麻雀マンガに詳しくなりたい人であれば、押さえておきたい1冊である。
【参考】